褒めて伸ばす育児が逆効果になる場合もあるんです!
こんにちは、パパっこパパ @papakkoPapa です。
「すごい!」とか「えらい!」「かしこい!!」などと子どもを褒めていませんか?
最近はほめて伸ばす育児が浸透していますし、皆さん当たり前のようにやっているのではないでしょうか?
でも実はこれ、使い方を間違えると逆効果になることも実証されているんです。
「えー、そんなはずないじゃん、褒めるのはいいことだっていろんな本に書いてあるよ!」と言われるかもしれません。でもこれはやり方の問題なんです!
では、どのような褒め言葉を掛ければいいのでしょう?
今回はそんなことを書いた本「やればやればできる!」の研究(キャロル・S・ドゥエック著)についてお話ししたいと思います。
目次
褒めることはいいこと悪いこと?
褒めることはいいことです。
自己肯定感が増して積極的な子供になる。
そんなことが多くの本に書いてありますし、皆さんも読んだことがあるのではないでしょうか?
ではなぜ「すごい」や「偉い」などが良くないのでしょうか?
良い褒め方とは「子どもの努力と成長に注目したほめ方」であり、「子どもの現在持っている特性を褒めるのではなく、努力をして成し遂げた、または努力したことを褒めること」だと著者のドゥエックさんは書いています。
このことから分かると思いますが、「すごい」や「偉い」、「かいしこい!」などは今現在の「子どもの特性」であることがわかります。
こういった「子どもの特性」を褒め続けると、「今ある能力でできることをして褒めてもらおう」といったような考えにいたる子が多いようで、「失敗を恐れて新しいことに挑戦しない」子どもになってしまう可能性が高いそうです。
そんなこと言っても、そうは思えないと思うかもしれませんので、ドゥエックさんの行った実験と、その意味をお話しします。
褒めるを科学的に検証。ほめ方の違いがもたらす結果とは?
アメリカで思春期初期の子どもたち数百人に対して次のような実験心理学的な科学実験を行ったそうです。
- 成績が同じになるように2つのグループに分けた。
- 双方のグループ共に同じテストを行った。
- 片方のグループには「頭がいいね」などの能力を褒める。
- もう片方のグループには「前より良くなった、努力したね」と努力を褒める。
- 経過を観察しながら、テスト→褒めるを何度か繰り返す。
どちらのグループも褒めているというところが面白い科学実験ですよね。
で二つのグループにはどんな変化が生まれたのでしょう?
褒めて伸ばす考え方であれば、両グループともにやる気が上がり、成績も伸びていったと思いますよね?
でも結果は違ったのです。
具体的には
能力を褒めたほうのグループは、難しい問題に挑戦しない、点数を偽るなどをするようになり、点数も下がっていった。
努力を褒めたほうのグループは、難しい問題に挑戦するようになり、どんどん点数が上がっていった。
という結果が出たそうです。
この結果はどのような意味を持つのでしょうか?
褒め方による心の変化を科学する:能力を褒める
まず、能力を褒めた場合どのような心境になるのでしょうか?
「頭がいい」などの能力を褒めた場合、テストの点数が下がったりすると「俺は頭が良くないんだ」と思ったり「頭が悪いと思われる」という感情がはたらきます。
また、「頭が良ければ何でもできる、頭が悪いやつはできない」などのレッテルばりなども起こりやすくなります。
その結果、自分を「頭が良い」と見せかけようとして点数を偽る、 失敗したら頭が悪いと思われると思ってるから「難しいことに挑戦しない」「できることをこなして頭を良く見せる」などの行為をするようになるそうです。
つまり、能力を褒めるという事は、「できなかったとき褒めてもらえない」、もしくは「できなかったらその能力が無い」というマイナスイメージも植え付けてしまいます。
そしてできない子には「能力が無い」とのレッテルをはってしまいます。
その結果今の能力を磨くための努力ではなく「能力があると見せかける」ようにする子が増えてくるという事になります。
これが初めに書いた「すごい」「かしこい」などの褒め方が逆効果になる理由です。
ではもう片方のグループはどうでしょうか?
褒め方による心の変化のちがいを科学する:努力を褒める
こちらのグループの考え方は簡単ですよね。
努力を褒めているのですから、失敗しても褒めてもらえます。
努力をしているのですから、何らかしらの結果はでるでしょうし、どこか褒めるところはでてきます。
たとえ頑張って頭がこんがらがってしまって、結果が出なかったとしても「頭がこんがらがるくらい努力して勉強したんだね!」と褒めてあげることもできます。
こういうことがあるのでモチベーションも自己肯定感も上がり、難しいことにも挑戦し、結果点数も上がっていく、という好循環が出来上がります。
これこそが著者が言う「子どもの努力と成長に注目したほめ方」をすすめる理由と結果です。
私たち親ができること
では「すごい」や「えらい」などを全く使ってはいけないかというと、私はそうは思いません。
褒め方として「努力と成長に注目する」という原則を守っていれば使うのは構わないと思います。
「こんなに頑張っていっぱい書いたね、すごい!」とか「昨日よりも長い間椅子に座ってしっかりと食べてくれたね、えらい」といったように「努力と成長」を褒めるために「すごい」や「偉い」を使うのはいいと思います。
単品で「すごい!」と言ってしまった場合は、「すごい!(あっしまった・・・)昨日よりも速く走れてる!いっぱい頑張って走ったんだね」などとすぐに努力を褒める言葉を付け足してあげればいいと思います。
この本を読むぐらいまでは褒めることはすべていいと思っていたので 、私もパパっこちゃんにすぐに「すごい!」とか「えらい!」って言ってしまっていました。
今でも行ってしまうので、付け足し方を使って「努力」を褒めるようにしています。
くせになっていてすぐには出来なくても、「努力と成長」に注目して上げることはとってもいいことだと思いますので、ぜひ皆さんも声かけを少し変えてみてください。
それに加えて、悪影響になる言葉遣いについてもちょっとづつでも直していけるといいですね。
今回は一つの実験心理学の科学実験に基づいて話してきましたが、今回紹介した本の中にはほかにも多くの事例や科学的実験なども交えて説明しています。
とくに今回お話ししなかったマインドセットについて詳しく書かれています。
少し専門的な感じであるし、「今すぐお役立ち!」系の本ではないのですが、考え方を知りたいという方には大変ためになるし面白い本だと思いますよ。
ぜひ読んでみてください。
今回は、パパっこママに「すごい」って言うのは良くない褒め方らしいよ、と言われて、本当か?いいことでしょ?と思い、調べ、たどり着いた結論です。
「すごい」や「えらい」だけで使うと逆効果になることがあるので、「こどもの努力と成長」に注目して褒めるようにする。それだけで自己肯定感と挑戦するモチベーションがアップするよっ、という内容でした。
今後もパパっこパパが勉強したり経験した事に基づいて、皆さんの役に立つような記事をどんどん書いていきます。
忙しいみなさんの代わりにどんどん本も読んで、子育て、知育に関する理論を皆さんにお伝えしていきたいです。
忙しいみなさんのお役に少しでも立てると嬉しいです。
それではみなさん、よい育児を一緒に楽しんでいきましょう!! 引き続きパパっこパパをよろしくお願いしますね!